マルチに誘われた話
今回は住宅関係の内容ではないことをお話します。
自分語りの内容となってしまいますのではじめに断っておきます。
以前書いた記事の中で、ロバートキヨサキさんの著書「金持ち父さん貧乏父さん」を読んだきっかけとなった出来事の話をしたいと思います。
はじめに言っておきますが、この本自体の内容はかなりいいと思います。
そして、お金に対する知識の乏しい人にとってかなり衝撃的な内容が書かれています。
私も読んだ当時はとても衝撃を受けたことを今でも覚えています。
しかし、その衝撃的な内容ゆえ悪意を持った人が無知な人を騙すツールとしても使われていることもまた事実ですから、これから私がお話する出来事に少しでも似たような経験のある方は要注意です。
それではお話します。
出会いは突然に
まだ私が独身時代、あれは7年ほど前のことです。
平日休みをもらった私は、新宿を歩いていました。
その日は映画を見たり、街を散策して、夕方になったこともあり、新宿駅を目指して一人歩いていました。
そして向かいから歩いてくる3人組の女性達。
なんかこっち見てくるなと思ったとき、突然声をかけられました。
女1「あの、この辺で美味しい鍋があるところ知りませんか?」
いきなり女性から声をかけられたことで少し嬉しい気持ちもありましたが、ちょっと怖いなと感じていました。
しかし
私「いやー、ちょっとわからないですね」とにやけながら答えたことは覚えています。
女2「今度時間合わせて、あなたの友達誘ってみんなでご飯食べましょう。連絡先交換していいですか?」
女1「それいいですね、やりましょうよ」
と勝手に連絡先を交換する流れになり、逆らうこともできず、そして半分舞い上がって連絡先を交換しました。
そして、その場では発言しなかった女3のことを少しかわいいなと思っていました。
この感情がマルチに本格勧誘されるきっかけになってしまうとは、このときの私は知る由もありません。
エミリとの交友、そして怪しい飲み会
その後、可愛いと思った女3と何度か連絡を取り合っていました。
この女性を「エミリ」とします。
エミリと連絡をとっていると、「社会人飲み会」という会に誘われました。
会の趣旨としては、「会社だけの人間づきあいからもっと人脈を広げる機会をつくろう!」という、今思えば怪しさ満点の会です。
世間知らずな私は、会社の後輩A君を誘ってその飲み会に出席しました。
参加人数は20人弱で、参加メンバーの中で初参加は私、Aと他に3人ほどだったと思います。
もちろんエミリも参加しており、女1もいました。女2はいなかったと思います。
この会は普通に飲んでお話をしてかなり平和に終わりました。
ただ、少しおかしいなと思った点があります。それは
2次会がない
です。
そこですこし「この人達上辺だけの付き合いなのかな?」と感じました。
それは後輩も感じており、私に「あの飲み会ちょっと怪しいですよね、先輩がいるからよかったですけど次はちょっと嫌ですね」と話していました。
ただ、私としてはエミリがいるので誘われたら行く気満々でした。
金持ち父さん貧乏父さんとの出会い
その後エミリから、何度か食事に行きました。
その何回目かの食事のに渡された本が「金持ち父さん貧乏父さん」です。
よかったら読んでみてね。という彼女の言葉にまんまと乗せられ、普段読書もしない私が数日で読破しました。
本を読み終えたとエミリに連絡するとエミリから
・ 実は独立を考えている
・ 会って欲しい人がいる
・ その人はすごい
・ あなたにもこのチャンスを与えたい
という旨の連絡をもらいました。
そして、後日そのすごい人とエミリと私の3人で会うことになりました。
そのすごい人を「タケシ」とします。
タケシとの出会い
約束の日、先にエミリと合流した私は、2人でタケシとの約束の場所を目指して歩いていました。
その最中でもエミリはタケシのすごい話をしていました。
しかし、さすがの私も怪しさMAXの男と会う恐怖を抱えており、正直何の話をしていたか全く覚えていません。
約束のお店に着き、2人でしばらく待っていると大柄で少し色黒の男が部屋に入ってきました。
そう、その男がタケシです。
タケシは簡単な自己紹介をしたあと、私に以下のことを言ってきました。
・ 誰にでもこういった場を設けないこと
・ とんび君(私のことです)が会社から独立を考えているか?
・ 本気で考えているならその手助けをしてあげる
・ やってる内容はネットワークビジネスだよ
ネットワークビジネス・・・マルチじゃん
その後一生懸命ネットワークビジネスはマルチじゃないと何度も何度も説明を受けましたが、全く納得できなかったことは覚えています。
そして、その会話の最後に
タケシ「ネットでネットワークビジネスって検索しちゃだめだよ。あそこには悪いことしか書かれていない」
と釘を刺されました。
その説明を最後まで聞いてしまったことが運の尽きで、それ以降毎週末セミナーやイベントに参加させられました。
その中で特に覚えているのがキャッシュフローゲームです。
簡単に言うと人生ゲームのお金色が強い版です。
実はこのときこのゲームをやるのが2回目でした。
と、言うのも少し前に合コンで知り合った女性からキャッシュフローゲームに誘われて参加したことがありました。
当然その誘ってきた女性もマルチに引っかかっている女性でした。
なので、同時期に2つのマルチから誘われていたんですね。
このあたりは最後にお話します。
逃げる
エミリと知り合って3,4ヶ月経った頃です。
本格的にタケシの指導による独立講座を受けるには、ある会社の商品を30万円分買わなければならないミッションを言い渡されました。
なけなしのお金を払うことには流石に抵抗があったので、購入をなんだかんだ言い訳をして逃れていました。
そんなこんなをしているとき、大規模な集会が大阪で行われるので絶対に参加してほしいとエミリから連絡が来ました。
しかし集会は平日開催のため、仕事を休まねばなりません。
そして、その連絡が来たのは予定日の2週間前
私は、当時ブラック企業に務めていましたので、休めるわけもありません。
私「そういうのもっと早く言ってほしいな」
エミリ「言ったよ」
私「ほんとに言った?でももう仕事休めないし、その前の日から山形に出張だよ」
エミリ「えぇー!でもタケシさん的にはその集会は絶対参加して欲しいんだって!」
私「でもどうしようもないよ」
とやり取りをしていると、一本の電話が・・・
タケシ「エミリから話聞いたよ、仕事休めないんだって?」
私「はい、ちょっと大事な仕事が入っていて」
タケシ「体調不良でいけないことにすれば?どうせ適当に診断書書いてもらえば会社もそこまで言ってこないでしょ」
私「いやーちょっと・・・まぁ、最悪そうしますけど、まずは上司に掛け合ってみます。」
タケシ「頼むよ、君には期待してるからね。とんび君結構肝据わってるし、弁も立つから色んな人が一目置いてるよ。大事な時だから考えてね」
と珍しく人から褒めてもらいましたが、もうこの時に逃げ出す意志が固まっていました。
やはり根がサラリーマンなので、仕事をずる休みして、取引先や先輩に迷惑かけるのができなかったんです。
そして数日後、電話でエミリと話をしました。
私「エミリ、俺タケシさんのやつ抜けるわ」
エミリ「えっ!?なんで?」
私「もう続ける気ないから。エミリも騙されてるからやめたほうが良いよ。」
私「あの商品買ったんでしょ?それで何人に紹介できたの?」
エミリ「あなただけ。でもまだ買ってないもんね?」
私「買ってないよ。ってことは今まで収入0じゃん。それって騙されてるよ。もうやめたほうが良いよ」
電話口の向こうで泣くエミリ
さすがに少し心が痛かったです。
エミリ「ごめんね、バイバイ・・」
ブチッ
これですべてが終わった。これで開放された。
わけじゃない
その後、タケシからの着信
タケシ「なぁ、お前何考えてるの?」
私「これマルチですよね?だからやめました。」
タケシ「金なくて払えないだけだろ!エミリ泣いてるぞ」
私「金が無いのは事実ですけど、これマルチなんでお金払いません!」
タケシ「考え直せよ、せっかく掴んだチャンスだろ?」
私「じゃあこれ収益化できるまで何人騙せば良いんですか?」
タケシ「なんでそうなるんだよ、世の中の会社なんてはじめは給料少なくて頑張ったやつが給料上がるだろ?同じだよ」
私「マルチと会社は違います。雇用体系も違います。もう続ける気が無いので電話切ります。」
ブチッ
こんな感じのやり取りをした覚えはあります。
それ以降この人達からの連絡は全くありません。
終わりに
タケシとの出会いの部分で、キャッシュフローゲームは2回目という話をしました。
1回目に誘ってきた人がなぜその後アプローチを掛けてこなかったかなんですが、実はマルチのグループには「他人のグループに所属、勧誘している人を勧誘してはいけない」という暗黙のルールがあります。
時系列がちょっとごちゃごちゃしますが、並べると
① 合コン
② キャッシュフローゲーム1回目
③ エミリとの出会い
④ タケシとの出会い
⑤ 合コン女との食事
⑥ キャッシュフローゲーム2回目
となっています。
合コン女としてはキャッシュフローゲームの後の食事会で勧誘するつもりだったのですが、⑤の時点で「タケシ」の名を出していたので諦めたそうです。
これはタケシと縁を切った後に合コン女と再度食事をした時に明かされました。
皆さんに伝えたいこと
金持ち父さん貧乏父さんを悪用する人はまだまだたくさんいます。
しかし、本の中身は素晴らしいと思います。本に罪はありません。
この本を勧めて、あなたをマルチ(ネットワークビジネス)に誘う人が来た場合には、暗黙のルールを逆手に取って撃退しましょう。
「実はもうそういうお誘い受けてるんだ」
この一言で相手は諦めます。
嘘でもいいです。てか嘘を付きましょう。
暗黙のルールは、グループ間のトラブルを回避するために自然にできたルールです。
なので、言われた方はそこまで深堀りして聞いてきません。ぜひ役立ててください。
以上でマルチに誘われた話を終わります。
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